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No.36 音楽がつなぐ女性たちの集い

もうすぐ桃の節句がやってきます。
ひな祭りに先駆けて、
「女神(ミューズ)たちが贈る素敵なコンサート」と題した演奏会が、
5箇所で開催されました。
女性アーティストによるこのシリーズは3回目を迎えますが、
今年はピアノの仲道郁代さん、ソプラノの佐藤美枝子さん、そして私が参加しました。
それぞれのソロ、デュオなどバラエティ豊かなプログラムが組まれましたが、
いちばん力が入ったのは、なんといっても全員による演奏です。
ドニゼティの「ランメルモールのルチア」の「狂乱の場」は
ソプラノの佐藤美枝子さんがチャイコフスキーコンクールで
優勝を果たされたときの名演が語り継がれる作品であり、お得意中のお得意の曲。
仲道さんがオーケストラ全パートをピアノで演奏され、
私はコロラトューラソプラノの妙技に絡まる、
細かなフレーズが有名なフルートパートを演奏するとあって、
実にやりがいのある選曲でした。
以前から、ゴールウェイ先生のレッスンのたびに
「オペラを聴きなさい。パヴァロッティになったつもりで演奏しなさい」と耳にタコができるほど聞かされ、
現にご自宅では大音量でオペラをお聴きになる姿を知っていましたので、
私も心がけてオペラのアリアを聴くようにしてはいましたが、
今回佐藤さんの素晴らしい歌に沿うように演奏して、本当に勉強になることばかりでした。
信じられないほど細やかに、音を転がすように歌い上げる佐藤さんに、
一部の違いもないようにぴったりと合わせるようにと努力しながら演奏しているうち、
私も一緒に歌っているような気にさえなってきました。
そして息遣いを合わせフレージングを作っていきながら改めて感じたことは、
「フルートとソプラノは、なんて共通したことが多いのだろう」ということでした。
音域が共通していることはもちろん、腹筋の使い方や音量の変化の付け方など、
声帯を使わないこと意外は全く共通することばかりでした。
佐藤さんの類まれな集中力と、
まるでルチアそのものであるかのような豊かな表現力に感化されながら演奏することは、
私にとって得がたい経験になりました。
そして、私たち二人の演奏を支えてくださった仲道さんのピアニズムも素晴らしいものでした。
毎日神経を張り詰めるように「ルチア」を演奏した5日連続の公演を終えてみて、
私たち3人とも充実感でいっぱいになりました。
最終日、岩手から乗った深夜の新幹線の中で、
また共演することを約束しながらそれぞれの帰路に着きました。

ひな祭りの日に3周年を迎える「ヴァンヴェール」上で、
こんな有意義な女性たちの出逢いがあったことを皆様にご報告できることをうれしく思っています。
2006年3月1日
山形由美
 
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