山形由美 オフィシャルサイト

「音楽とは、愛そのものである」
毎日フルートを吹いているうちに、そのことを確信するようになりました。作曲家が心を込めて作った曲を、 心を込めて演奏する。それは人に伝わり再び送り手に戻ってきて、更に大きな渦となって人を包み込む…。 25年間、数え切れないほど多くの場所を訪れ、そのような経験を重ねることができたことに深く感謝しています。

今回、セルフ・プロデュース第2弾となるアルバムのテーマに選んだのは「愛」。 そして、人間への、神への、そして自然に対するさまざまな愛を歌い上げる素敵な曲ばかりを選んで、 詩集（アンソロジー）を編んでみようと思い立ったのです。それぞれの曲に込められた思いを詩からくみ取り、 そして詩がない曲には自分で詩を付けて、フルートに向かいました。 そうしてできたのがこのアルバム、「Anthology 〜愛のアンソロジー〜」です。

ご参加くださったのは、10数年に渡り共演の栄を賜り、 音楽家としても人間的にも大尊敬するギタリスト、荘村清志さん、 小学1年生のときからの古い友人であり、類まれな才能に溢れる ヴァイオリニストの古澤巌さん、研ぎ澄まされた感覚で次々と 斬新なレパートリーを提供してくださっている、 作曲家・ピアニストの加藤昌則さんです。

そして5年前、CD「Luce 〜ヴェネツィアの光と夢〜」で 初のプロデュースに必死の思いで取り組んだ私を、 それぞれの分野で支えてくださった素晴らしいスタッフの方々にも、 再びお力をいただいています。

皆さんの温かな友情を感じながらのレコーディングは、 とても楽しいものでした。フルートの音、ひとつひとつに 愛を込めて紡いだこのアルバムを、お楽しみいただければ幸いです。

山形由美
2011年のバレンタインデーに 寄せて