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No.15 川辺に流れるベルの響き

静寂を破って鳴り出した教会の鐘の音にびっくりした私は、一瞬にして目を覚ましました。
そして、しばらくの間その響きに包まれていると
「ああ、今私はドイツにいるんだ」という思いが強く湧いてきました。
ヨーロッパ一人旅で迎えた、最初の朝の鮮烈な印象です。
先日、ハンドベルアンサンブルと初めて共演したとき、
20年以上も前のその経験が、しきりに思い出されました。
それもそのはず、実は教会のカリヨンの練習用として作られたのが、
ハンドベルなのだそうです。

ハンドベルアンサンブルTOKIOは、プロのグループとして、
日本のみならず、海外での演奏経験も積み、高い評価を得ています。
金色に輝く50数個ものベルを、5人のメンバーが駆使して作り出すその響きと余韻は、とても美しいものです。
演奏会の折り、私もその音色を出してみたいと思い、
試しに小さなベルを触らせていただくと、軽やかで透明な音色がしました。
今度は一番大きなものを手にしようとすると、とても片手で持つことはできません。
やっとの事で両手で持ち上げましたが、それを振って鳴らすのは、私にはとうてい無理なことでした。
一人ひとりがいくつものベルを受け持ち、交互に鳴らしながらなめらかなメロディやコードを作っていくのは、
相当な技術と熟練したアンサンブルが必要なことは想像に難くありません。
そのようなことはみじんも感じさせず、
清らかに、厳かに、またある時は輝かしく、ハンドベルの響きは刻々と変わっていきます。
その響きに乗せてフルートを吹いた新潟での3日間は、ゆったりと流れる信濃川、
そしてその川縁の八重桜や色とりどりのチューリップと共に、この春の思い出となって残ることでしょう。
2004年5月1日
山形由美
 
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