From Yumi
童謡・唱歌のメッカ、中国地方に行ってきました
中国地方が、童謡や唱歌の宝庫ということをご存知でしたか?
あの「ふるさと」を作曲した岡野貞一は鳥取県出身、赤い鳥運動を提唱した鈴木三重吉は広島県生まれなのです。秋が訪れたこの2県を旅しながら、日本情緒を満喫してきました。
まず赴いたのは、鳥取。市内にあるレトロな建物「わらべ館」には、岡野貞一を始め、鳥取にゆかりのある音楽家やわらべうたの紹介がされています。民芸運動も盛んな鳥取の風土を広く認識してもらうために、様々なイベントも行ってきたわらべ館が主催してくださり、鳥取市民会館に会場を移してのわらべ館ファミリーコンサート「山形由美リサイタル 歌心をフルートにのせて」が9月23日に開かれました。
全国くまなく巡っている私も、なかなか鳥取でのコンサートは少なく、前回訪れたのはたしか10年近く前。広島交響楽団との演奏会だったのではないかと思います。久しぶりの鳥取への懐かしさも相まって、クラシックの曲や童謡・唱歌を楽しく演奏させていただきまた。
意外かもしれませんが、フルートと童謡はとてもよく合うんですよ。 といいますのは、童謡、唱歌には美しい日本語があり、そのリズムが、自然な形でメロディに乗っている名曲が多いのです。ですから、フルートを吹いていても心の中に歌詞が湧いてきて、歌心を引き出してくれるのです。 日頃、西洋で作られた曲を演奏することが多いクラシック演奏家にとって、日本のメロディはまさに、自分の血の中に溶け込んでいる音楽といえるのではないでしょうか。 お客様にとっても、よくご存知の曲ばかりですから、心から楽しんでくださったようで、とてもうれしく思いました。
あの「ふるさと」を作曲した岡野貞一は鳥取県出身、赤い鳥運動を提唱した鈴木三重吉は広島県生まれなのです。秋が訪れたこの2県を旅しながら、日本情緒を満喫してきました。
まず赴いたのは、鳥取。市内にあるレトロな建物「わらべ館」には、岡野貞一を始め、鳥取にゆかりのある音楽家やわらべうたの紹介がされています。民芸運動も盛んな鳥取の風土を広く認識してもらうために、様々なイベントも行ってきたわらべ館が主催してくださり、鳥取市民会館に会場を移してのわらべ館ファミリーコンサート「山形由美リサイタル 歌心をフルートにのせて」が9月23日に開かれました。
全国くまなく巡っている私も、なかなか鳥取でのコンサートは少なく、前回訪れたのはたしか10年近く前。広島交響楽団との演奏会だったのではないかと思います。久しぶりの鳥取への懐かしさも相まって、クラシックの曲や童謡・唱歌を楽しく演奏させていただきまた。
意外かもしれませんが、フルートと童謡はとてもよく合うんですよ。 といいますのは、童謡、唱歌には美しい日本語があり、そのリズムが、自然な形でメロディに乗っている名曲が多いのです。ですから、フルートを吹いていても心の中に歌詞が湧いてきて、歌心を引き出してくれるのです。 日頃、西洋で作られた曲を演奏することが多いクラシック演奏家にとって、日本のメロディはまさに、自分の血の中に溶け込んでいる音楽といえるのではないでしょうか。 お客様にとっても、よくご存知の曲ばかりですから、心から楽しんでくださったようで、とてもうれしく思いました。
そして、広島へ。
お隣の県へ移動するだけ、と軽く考えていた私は、旅程を見て驚きました。中国山地があるため、何と兵庫県の姫路まで戻り、新幹線で広島入りしなければならないのです。所用時間は3時間半!それだけあれば東京から岡山に着いてしまいますから、2県を隔てる地形の険しさが想像できました。
広島でのコンサートは大変規模の大きなもの。NHK広島放送局の主催による「心のメロディ みんなの童謡コンサート」と題され、テレビ収録も入るとあって、会場のアステールプラザ大ホールにはお子さんからご高齢の方々まで、大勢のお客様が訪れてくださいました。
高山哲哉アナウンサーと、神崎ゆう子さんの司会のもと、なんと30曲もの童謡が取り上げられました。
私はその中の18曲を演奏。ソロに加えて、第16代うたのお姉さんとして知られる神崎さんを始め、4人のお子さんを持つお父さん歌手の木山裕策さん、元ル・クプルの藤田恵美さん、広島交響楽団アンサンブルの皆さんらと共演させていただきました。皆さんそれぞれに、ご自身の持ち味を生かされ素敵に歌っていらっしゃいましたし、私もメロディのみならずバリエーションが施された吹き応えのあるフレーズを多く演奏しました。
そして、100人もの子供たちが声を合わせた合唱が、心に残りました。今年創立50周年を迎えたというNHK広島児童合唱団のメンバーは、前日からの長時間のリハーサルやテレビ収録も入った複雑な本番の段取りに動じることもなく、全ての曲を暗譜で披露し、見事なハーモニーを作り出していました。 でも終演後は、歳相応の子供たちに戻って、大人の出演者に次々に握手を求めに来てくれました。私には「フルートの音、きれいだった〜」とか、「ドレスがかわいい〜」と声をかけてくれ、ほのぼのとした気持ちに包まれました。
人それぞれの思い出につながる童謡が、今回また私にも新たな思い出を残してくれたことを感じながら、東へと帰ってきました。
2010年9月28日
山形由美
山形由美