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世にも優雅な調べとともに

彫刻や金の飾りが施された流線型のフォルムに張られたたくさんの弦。それを爪弾く姿はエレガントそのもの。ハープは人々の憧れを集める楽器です。フルートとハープは、相性のよい組み合わせとして愛されてきました。ビゼー作曲「アルルの女」のメヌエットを聞いて、フルートやハープを始めたという方もたくさんいらっしゃるほどです。この一週間、素敵なおふたりのハーピストとの共演が続きました。

まず10月25日は、東京・稲城市に新しくできたホールのオープニングシリーズで、日本フィルハーモニーの皆さんとモーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」を演奏させていただきました。この曲はこのふたつの楽器が奏でる音楽の最高峰として、そしてモーツァルトの曲の中でも代表曲と挙げられるほどの名曲です。ハープソロを受け持たれたのは、斎藤葉さん。藝大の1年違いだったので在学中から存じており、その後私のレコーディングのときに、初めてご一緒していただきました。「ローザ・ロッサ」という、イタリアをテーマに制作したアルバムに参加してくださったのです。先ごろ、リマスタリングによって復刻されたのを機会にしばらくぶりに聴き直していたところ、斎藤さんの美しい音色も一層クリアーに蘇っていてうれしく思っていたところでした。今回の共演でも、多くの演奏経験に基づく斉藤さんの深い解釈に支えられ、私もモーツァルトの世界に浸って心から楽しく演奏することができました。斎藤さんは通常のグランドハープはもとより、中国の復元楽器、箜篌(クゴ)やエレクトリックハープなども演奏なさり、また作曲も手掛けるなどの才人でもいらっしゃいます。またそうした楽器を用いての共演も重ねられたらと願っています。


そして28日には、ハープのデュオコンサートが十字屋さんで開かれました。十字屋といえば老舗の楽器店、ハープの殿堂として知られる銀座の名店ですが、創業されたのはなんと明治7年とのこと。社長の中村千恵子さん、お嬢様で元アナウンサー、江里子さんの母校である立教が創立されたのが偶然にも同じ年であり、今年共に135周年を迎えたということで、十字屋と立教学院の共同企画として実現したコンサートでした。私も中村さん母娘と同じ立教女学院中高の同窓ということで、お声をかけていただきました。共演してくださったのは、日本フィルの奏者として、また室内楽、ソロプレーヤーとしてもご活躍の松井久子さん。随分長い間ご一緒させていただいており、プライベートでも仲良しの友人でもあります。今回はご自分の楽器ではなく、十字屋所蔵の数ある楽器の中から選び抜いて演奏するといった珍しい形でした。
ハープはピアノの鍵盤と違い、楽器によって弦と弦の間の距離が微妙に違い、弾き慣れていないと難しいということですが、松井さんはご自分に合った楽器をすぐ見つけ出され、入念なリハーサルを重ねて本番でも見事に弾きこなしていらっしゃいました。優雅に見えるハープですが、7本のペダルを踏み変えて半音を作ったり、指先を柔らかく保つためヤスリが欠かせないことなどのお話を交えながらの演奏に、お客様も楽器に対する理解を深めてくださったようで、とてもうれしく思いました。松井さんとは、この秋から冬にかけてまた共演の機会がありますので、楽しみにしています。

エレガントな女性ハーピストのおふたりとの共演を終え、いよいよヴェネツィアから来日する頼もしき男性アーティストとのトリオツアーが始まります。11月3日の兵庫県立芸術文化センターから浜離宮朝日ホールまで、7箇所を巡りますが、トリオでは2年ぶりとなるパオロ・コニョラート氏(チェンバロ・ピアノ)、ダビデ・アマーディオ氏(チェロ)との共演は、きっとわくわくの連続となることでしょう。今年はどんな音楽が飛び出すか、期待に弾んでいます。今回は、加藤昌則さんによる書き下ろしの新作「イタリアオペラで綴る三都物語」と題する名曲選もお送りいたします。どうぞお近くの会場に是非お越しくださいね!お待ちしております。

2009年10月31日
山形由美
 
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