From Yumi
桜の運んできてくれたもの
先週末、楽しい集まりがありました。
2年前にドイツ・ロマンティック街道のテレビロケでお世話になった現地のコーディネーターの方がお里帰りされたことを機に、そのときの関係者の皆さんが勢ぞろいしてのお食事会が開かれたのです。初夏を思わせるような爽やかで暖かな宵、おいしいお料理とワインで思い出話に花が咲きました。誰もいないノイシュバンシュタイン城で演奏したこと、学生時代にひと夏を過ごした懐かしいバイロイトのギムナジウムで子供たちに演奏を聴いてもらったこと、そのあとにスタッフの皆さんが子供たちにせがまれ漢字でサインをしてあげたこと…。話は尽きず、ふと気がつくとすっかり夜も更けていました。皆でお店を出ると、満月に照らされた夜道に、春風に乗った桜の花びらが舞っています。
思えば近くには都内でも有名な桜の名所が。葉が出始めた枝から、最後にもういちど人を楽しませてくれるために飛んできてくれた花びらたちを眺めながら、よき思い出に新しい思い出が加わったことへの余韻を感じた、春の日でした。
2年前にドイツ・ロマンティック街道のテレビロケでお世話になった現地のコーディネーターの方がお里帰りされたことを機に、そのときの関係者の皆さんが勢ぞろいしてのお食事会が開かれたのです。初夏を思わせるような爽やかで暖かな宵、おいしいお料理とワインで思い出話に花が咲きました。誰もいないノイシュバンシュタイン城で演奏したこと、学生時代にひと夏を過ごした懐かしいバイロイトのギムナジウムで子供たちに演奏を聴いてもらったこと、そのあとにスタッフの皆さんが子供たちにせがまれ漢字でサインをしてあげたこと…。話は尽きず、ふと気がつくとすっかり夜も更けていました。皆でお店を出ると、満月に照らされた夜道に、春風に乗った桜の花びらが舞っています。
思えば近くには都内でも有名な桜の名所が。葉が出始めた枝から、最後にもういちど人を楽しませてくれるために飛んできてくれた花びらたちを眺めながら、よき思い出に新しい思い出が加わったことへの余韻を感じた、春の日でした。
翌日自宅に戻った私は、車で那須を走り回っては桜を楽しみました。
ほぼ同じタイミングで開花が進む東京とは違い、ここでは標高によって少しずつ異なる速度で咲いていくのです。ですから、場所を移動するたびに様々な桜を同じ日に楽しめるというわけ。まだつぼみだけの界隈があるかと思えば、那珂川に沿った土手では桜並木が見事な満開を迎えていました。
那須でお花見を楽しむのは今年で10回目になりますが、こちらに来てからというもの、冬が去って花の季節を迎えるのがとにかくうれしくてたまらなくなりました。春を迎えることのできる喜びが、明るい日の光の中で大きく膨らんでいきます。自宅に戻りお茶を飲んでいると、ヒヨドリがテラスのテーブルに舞い降りてきました。去年もその前の年にも来た子たちに違いありません。室内にいる私たちにピーピーと鳴き声で訴えているのは、パンをせがんでいるのでしょう。こうして季節が巡ってきたことを再び感じ、このよき季節を心ゆくまで楽しんで過ごしていきたいと思ったのでした。
2009年4月13日
山形由美
山形由美