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No.43 思い出深い1ページが加わった20周年記念ツアー

本格的な夏が到来しました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
7月は待ちに待った20周年記念ツアーが行なわれ、
私にとって暑い暑い夏となりました。

今回のツアーでは、サントリーホール、新潟、栃木、秋田、大分、山口、
紀尾井ホールの7公演とも各会場でたくさんのお客さまに恵まれ、
ヴェネツィア室内合奏団の皆さんと熱のこもった演奏を繰り広げることができました。
特にワールドカップの準決勝と決勝がそれぞれ新潟と秋田の公演日に重なり、
イタリアチームの勝利に酔ったメンバーたちから
一層喜びに溢れた音色が奏でられたことも、強い印象に残っています。
栃木・那須野が原ハーモニーホールでは
テレビ東京「ソロモン流」の取材撮影も入りましたので、
その様子をご覧いただいた方も多いかと思いますが、私の地元ということもあり、
会場も大変な熱気に溢れていました。
この会場は10周年のツアーでも演奏し、CD「アプリシエーション」のレコーディングも行なった思い出の会場。
今回素晴らしいイタリアからのメンバーと共に演奏できたことは大きな喜びとなり、
更に新しい思い出を重ねることができました。
その終演後、我が家ではホームパーティを催しました。
夕暮れ時に到着する彼らを迎えたのは、庭に灯されたたくさんの光。
山から切ってきた竹にひとつずつ灯したキャンドルの明かりで、イタリアからのお客様への歓迎の意を表したのです。
地元での友人らにも声をかけ、総勢30人ほどがリビングルームに集まりました。
こんなにたくさんの方が一堂に会したのは、我が家始まって以来のこと。
ビュッフェスタイルでお料理を各自取り分けていただきながら、イタリアワインを片手におしゃべりに興じる楽しさ!
イタリア語や英語、日本語が交じり合う賑やかさの中で、那須の夜は更けていきました。
那須の記念にと私が用意したのは手作りのキャンドル。
時折キャンドルを手作りさせていただいている工房、
「キャンドルハウスシュシュ」さんで、ツアーの合間に作らせていただいたものです。
那須の豊かな自然をイメージし、グリーンのグラデーションを施した本体には、
我が家の庭から摘み取ったローズマリーを入れました。
そして表面には濃いグリーンのロウをかたどって作った、葉っぱをあしらいました。
その手作りのオリジナルキャンドルを、はるばるヴェネツィアから日本に、
そして私の町、那須にまで来て下さったヴェネツィア室内合奏団の皆さんへの感謝の気持ちを込めて、
ひとりずつ手渡しして、楽しかった宴は終了しました。
ヴェネツィアに戻った時、そのキャンドルの光(ルーチェ)で那須を思い出していただけることを願いながら。

それからも猛暑の中ツアーは続き、15日ついに最終日を迎えました。
昨年のレコーディング、そして各会場での演奏を経て、
私たちはかつてないほどコミュニケーションが深まりました。
そして毎回、一瞬一瞬なにかもっといい音楽はないかと
各自が求めながら演奏に臨むという姿勢は貫かれていました。
それが本当に発揮されたのは、この紀尾井ホールでの本番でした。
この日はCD「Luce(ルーチェ)〜ヴェネツィアの光と夢〜」のリリース記念&20周年記念の特別プログラム。
どんなにかこの日のために気持ちを注いで、ありとあらゆる準備をしてきたかを考えると、
舞台に登場する前はさすがに胸の鼓動が早くなりましたが、
満場のお客さまの拍手に迎えられて一歩踏み出すと、心からの喜びが湧いてきました。
そして、怒涛のようなヴィヴァルディの「海の嵐」、軽やかな「ごしきひわ」を演奏すると、
あの賑やかなヴェネツィアの街が思い出されました。
ヴェネツィアからの仲間たちの素晴らしいリズムと躍動感が私に伝わってきて、私のフルートも弾みます。
マルチェッロの「ヴェニスの愛」を演奏していた時には、ヴェネツィアの教会でレコーディングをしていた時、
私の目の前に天窓から差し込んできた一筋の光が、再び目の前に現れたような気がして、敬虔な気持ちに包まれました。
ジュナンの「ヴェニスの謝肉祭」は、レコーディングに先駆けて訪れたカーニヴァルの華やかさが、
そして、マーラー「アダージェット」のあまりにも美しいハーモニーに、
運河の水面に変化を見せる光が蘇り、深い感慨を覚えました。
20年吹いてきて本当によかった、と幸せな気持ちで演奏し続けました。
これほど音楽と自分が一体になれるなんて、と不思議なほど…。
一昨年の初共演、昨年のレコーディング、今回のツアーとともに
音楽を作ってきた素晴らしい仲間がいたからこそ持つことができた喜びだと思います。
アンコール「サマータイム・イン・ヴェニス」を演奏しながら、私はメンバーの皆さんに心から感謝をし、
そして、今日は本当にお客さまと私もひとつになれたという大きな喜びも感じていました。

紀尾井ホールでのコンサートの翌日、1ヵ月に亘り密着取材が行なわれていた「ソロモン流」が放映されました。
リハーサルの様子、那須野が原でのコンサート、我が家での生活ぶりなど、様々な場面がありのまま映し出されていました。
私にとって、大切な1ヵ月をこうして記録していただいたことは、ひとつの財産になることでしょう。
更に有意義な時を重ねていくよう、これからも頑張っていきたいと思います。
皆さまからはツアー、そしてソロモン流のご感想などたくさんのメッセージをいただき、ありがとうございます。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
素敵な夏をお過ごしになりますように。
2006年7月30日
山形由美
 
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