From Yumi
No.27 完璧な初夏の午後
那須の初夏を彩る花といえば、山ツツジ。
ツツジとはいっても、都会でもよく見かけるきれいに刈り込まれたツツジとは
まったく違う、野生の花です。
その色は、赤とピンクとオレンジを混ぜたような独特なもので、
私も那須に来てから初めて知りました。
我が家の近くでも、そのかわいらしい色彩が、
こんもりと茂ってきた木々の間に見え隠れしています。
そして、温度の上昇とともに、日に日に開花前線が山の方まで上がっていくのです。
先週末、那須・芦野の「石の美術館」でのコンサートが終わった後、
遠方から駆けつけてくださったかたがたを、ドライブしながら那須をご案内しました。
湯元温泉を過ぎ、展望台で那須野が原を見晴らし、さらに山を登っていきますと、
日本の三大ツツジの群生地で10万株ものツツジが自生していることで知られる八幡に至ります。
開花にはまだ少し早いかな、と思いながら通りかかりますと、
案の定、つぼみをつけているものの、開いた花はまだわずかでした。
「これが満開になると、本当に素晴らしいんですよ」
と、残念な気持ちで説明しますと、
「そうでしょうね。それはどんなに見事でしょうね。
是非来年は、このツツジが満開になるときに合わせて、那須でコンサートを開いてくださいね。
絶対にまた来ますから」とおっしゃっていました。
それから一週間。
もしかしたらそろそろかな?と思い、今日の午後、再び有料道路を上がってみました。
山道のカーブをいくつも進みますと、突然視界に、華やかな色彩が飛び込んできました。
満開のツツジです!
連日の好天気に、一気に花開いたに違いありません。
急いで車を停めました。
息を飲むような美しさとはこのことでしょう。
見渡す限り一面に、山ツツジが咲き乱れています。
遊歩道を進むと、その背の高さに驚かされます。
途切れることなく続く、びっしりと花をつけたツツジに包まれていると、
まるで自分までが、その花の色に染まってしまいそうな気がしました。
爽やかなそよ風が半袖の腕に心地よく、何度もその甘い空気を深く吸い込みました。
「完璧な初夏の午後」
そう名付けたいほどの素敵なひと時でした。
ツツジとはいっても、都会でもよく見かけるきれいに刈り込まれたツツジとは
まったく違う、野生の花です。
その色は、赤とピンクとオレンジを混ぜたような独特なもので、
私も那須に来てから初めて知りました。
我が家の近くでも、そのかわいらしい色彩が、
こんもりと茂ってきた木々の間に見え隠れしています。
そして、温度の上昇とともに、日に日に開花前線が山の方まで上がっていくのです。
先週末、那須・芦野の「石の美術館」でのコンサートが終わった後、
遠方から駆けつけてくださったかたがたを、ドライブしながら那須をご案内しました。
湯元温泉を過ぎ、展望台で那須野が原を見晴らし、さらに山を登っていきますと、
日本の三大ツツジの群生地で10万株ものツツジが自生していることで知られる八幡に至ります。
開花にはまだ少し早いかな、と思いながら通りかかりますと、
案の定、つぼみをつけているものの、開いた花はまだわずかでした。
「これが満開になると、本当に素晴らしいんですよ」
と、残念な気持ちで説明しますと、
「そうでしょうね。それはどんなに見事でしょうね。
是非来年は、このツツジが満開になるときに合わせて、那須でコンサートを開いてくださいね。
絶対にまた来ますから」とおっしゃっていました。
それから一週間。
もしかしたらそろそろかな?と思い、今日の午後、再び有料道路を上がってみました。
山道のカーブをいくつも進みますと、突然視界に、華やかな色彩が飛び込んできました。
満開のツツジです!
連日の好天気に、一気に花開いたに違いありません。
急いで車を停めました。
息を飲むような美しさとはこのことでしょう。
見渡す限り一面に、山ツツジが咲き乱れています。
遊歩道を進むと、その背の高さに驚かされます。
途切れることなく続く、びっしりと花をつけたツツジに包まれていると、
まるで自分までが、その花の色に染まってしまいそうな気がしました。
爽やかなそよ風が半袖の腕に心地よく、何度もその甘い空気を深く吸い込みました。
「完璧な初夏の午後」
そう名付けたいほどの素敵なひと時でした。
2005年5月29日
山形由美
山形由美