From Yumi
No.68 初秋を迎えて
車を走らせると、コスモスが風に揺れていました。
今年の夏は極端に暑かったり、急に冷え込んだり。
また雨や雷も多く、なんだか不安定な気候でした。
そんな中、少しずつ秋になってきたのだな、と感じます。
8月の中旬は自宅に落ち着いて、日頃気になっていたPCや書類、楽譜の整理やレパートリーの開拓などに取り組むことができました。20日のオーケストラ・アンサンブル金沢との共演から地方の演奏会が始まりましたが、月末には印象的だった山形から宮崎への長距離移動の旅もあり、すでにシーズン全開といった感じで過ごしています。
今年の夏は極端に暑かったり、急に冷え込んだり。
また雨や雷も多く、なんだか不安定な気候でした。
そんな中、少しずつ秋になってきたのだな、と感じます。
8月の中旬は自宅に落ち着いて、日頃気になっていたPCや書類、楽譜の整理やレパートリーの開拓などに取り組むことができました。20日のオーケストラ・アンサンブル金沢との共演から地方の演奏会が始まりましたが、月末には印象的だった山形から宮崎への長距離移動の旅もあり、すでにシーズン全開といった感じで過ごしています。
山形県庁として建てられた文翔館は、それは見事な大正時代の建築です。現在は郷土館として公開されていますが、どっしりとしたイギリス・ルネッサンス様式の風格のある建物の内部は、細やかな装飾が施されています。広い館内を巡っていると、思わずため息が出ました。その隅々まで実に美しく改修され保持されているのは見事なものだと思います。コンサートが行われたのは議場と呼ばれるお部屋でしたが、こちらもアーチ型の天井を持つクラシックな作りで、音がとても柔らかく響くのでした。ギタリストの荘村清志さんとの共演でのコンサートでしたが、
「何だか、外国で演奏しているみたいですね」
などと、お話したほどです。
スタッフの方から、文翔館の前が花笠まつりのパレードの終着地点というお話を伺い、急に小学校時代を思い出しました。実は運動会で、花笠音頭を踊ったことがあるのです!東京の小学校なのに不思議なのですが、小気味良いリズムに合わせてかわいらしいお花のついた笠をくるくると回しながら踊ったのは、今でも振り付けを覚えているほど懐かしい思い出です。曲の合間にステージでそんなことをお話しましたら、
「花笠の時に来てください!」
と客席から声がかかりました。本場の踊りを是非見てみたい(踊ってみたい?)と思った私でした。
思えば、荘村清志さんと共演させていただくようになってから、早や12年が経ちます。万年青年のように若々しく爽やかな荘村さんですが、なんとこの度還暦を迎えられ、その記念コンサートが5日に東京・紀尾井ホールで開かれます。日頃荘村さんが共演なさっている数々の演奏家の皆さんと共に私もご一緒させていただくことになっており、とても光栄に思っています。素晴らしい音楽家であることはもちろんのこと、温かで思いやりに満ちたお人柄の荘村さんを心から尊敬するアーティストが集っての演奏会ですから、それは楽しくハートフルなステージになるのでは、と今から楽しみにしています。それでは皆さんも体調にお気をつけて、初秋をお楽しみになってくださいね。
2008年9月3日
山形由美
山形由美