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「浜離宮ランチタイムコンサート」に出演して

4月とは思えない寒波が訪れた昨日、朝早く築地に向かいました。とうに桜の時期も過ぎたというのに、通勤に急ぐ人たちの中には、氷雨の中、冬のコートを着込んだ姿も見受けられます。那須ではなんと積雪があった、という母からの電話もあり…。
でも私の心はウキウキしていました。何度もリサイタルや室内楽で舞台に立ち、そのたび豊かな響きをもたらしてくれる浜離宮朝日ホールの本番を控えていたのですから。
今回は名物シリーズとなっている「ランチタイムコンサート」の75回目に初出演させていただくのです。毎回聴きにこられている方も多いと聞いていて、前から楽しみに準備をしてきました。

ホールに着いたのは8時半。こんなに早い時間にホール入りをすることは、通常はまずありません。それでも11時半の開演までにすることはたくさんあるので、大忙しです。
ドレスやアクセサリーを準備したり、まだ目覚めきっていない五感を起こすため、入念に音出しをしたり。そのうちピアノの加藤昌則さんが到着し、舞台でのゲネプロが始まりました。
今回のために工夫を凝らしたプログラムを1曲ずつ合わせたり、バランスを考えて立ち位置やピアノの位置を変えたり、照明を合わせたりしていると、あっという間に時間が経ってしまうのです。どうにか終えたのは開場時間ギリギリのことでした。
そして、30分にも満たない時間で、ヘアメイクを整えドレスに着替えを済ませると、開演の時間になっていました。

ステージに出ると、皆さんがニコニコと迎えてくださいました。普段はご自宅で家事をなさっているような時間帯にコンサートにいらっしゃるのですから、それは特別なこと。どんなにか楽しみにお出かけくださっているのでしょうか。その期待にお応えしたいな、という気持ちが強く湧いてきて、1曲ずつ心を込めて演奏していきました。
今年メモリアルイヤーを迎えたペルゴレージやショパン、そしてフルートの名曲「カルメン幻想曲」やミュージカルナンバーまで演奏していると、1時間半はあっという間に過ぎていきました。
共演者の加藤さんも、ラストナンバーの「映画で巡る世界一周」というメドレーを、とても素敵にアレンジし、演奏してくださいました。

終演後のサイン会では、いつも私のコンサートに来てくださる方のほか、全く初めてという方も多く声をかけてくださいました。
「一度来たいと思っていたので、今日はよい機会でした」
「やっと、山形さんの演奏が聴けました」
などいうお声を聞き、うれしく思いました。
中には、このホールでのランチタイムコンサートによくいらっしゃる方が、たまたま私の日にもお見えくださったこともあると思います。
そういう方々にも、少しでもフルートの魅力を直にお伝えすることができたのなら、とても幸せに思います。私の願いは、おひとりでも多くの方に、フルートのよさや音楽の楽しさを感じていただきたい、ということなのですから。

今では各地で開かれるようになってきた、平日のお昼間に開かれるコンサートのさきがけとなった「浜離宮ランチタイムコンサート」のもたらした意義は大きいと、初めて参加させていただいて、強く感じました。
音楽と共に過ごした時間で心がどこかしらほんわかと温かくなり、それを皆さんがそれぞれのご家庭に持ち帰られ、更にはご家族への潤いとなって伝わっていくとしたら…。
そんな楽しい想像を巡らしながら、昼下がりのホールをあとにしたのでした。
2010年4月23日
山形由美
 
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