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No.57 オリビアを聴きながら

去る9月20日、何年かぶりで東京厚生年金会館に向かいました。昔はずいぶんここに通ったものだな、と思いながら、新宿三丁目から大通りに沿って歩いていきました。バレエの公演を見に行くことが多かったですが、ロバータ・フラックを聴きに行って、ちょっと大人っぽい気持ちになりながら帰路についた、若かりし日もありましたっけ。

その夜催されたのは、タケカワユキヒデさんがプロデュースなさった「ブルークローバーチャリティコンサート」。前立腺がんの早期発見を目指すキャンペーンに賛同し集まったアーティストは多彩な顔ぶれ。タケカワさんをはじめ、ギタリストの渡辺香津美さん、元オフコースの鈴木康弘さん、そしてシンガーソングライターの尾崎亜美さんです。ゴダイゴのヒット曲ではイギリスを思い出させられました。ケンブリッジに住んでいた頃、テレビで「西遊記」を放送していました。英語に吹きかえられていたのでてっきり中国のドラマだとばかり思っていましたら、猿や豚に扮装しているのがなにやら日本の俳優さんに似ているではありませんか。つくづく見て、初めてそれが日本のドラマだとわかったときには大笑いしてしまいました。

その後日本に戻ってほどなくして、私はフルーティストとしてデビューしました。ファーストアルバムはクラシックではなく、いまでいうカヴァーアルバムでした。その頃私が大好きでよく聴いていたニューミュージックの曲ばかりを綴ったそのアルバムは、今でも私の青春のひとこまとして大切に思っています。なかでも一番好きだった曲は杏里さんのヒット曲として知られた「オリビアを聴きながら」でした。厚生年金のチャリティコンサートが佳境に入った頃、その作者である尾崎亜美さん自身によってその曲が歌われました。素晴らしいピアノに乗った張りのある歌声によって、丁寧に歌詞が客席に届いてきます。私はすぐさまその世界に引き込まれていき、20年以上の時を遡っていくような切ない気持ちになりました。

最後はバンドやストリングスの皆さんも全員参加してのビートルズナンバーで、コンサートは賑やかに幕を閉じました。客席には、私だけでなく、たまらなく懐かしい気持ちで思い出に浸った人たちが多くいらしたことと思います。そしてポップスっていいな!時代を語れる音楽って素敵だな!と強く感じました。出演者の皆さんの熱意を通して、前立腺がんの早期発見・治療の大切さが十分に伝わってきた一夜でした。
2007年9月25日
山形由美
 
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